2007年度 - 再チャレンジ支援教育プログラム

平成19年度文部科学省委託事業 社会人学び直しニーズ対応教育推進事業
Phase2:研究講座

2008年2月24日

【研究講座】「地球にやさしい暮らし--ツーリズムと環境・人と地球」    
株式会社アイトワ 森 孝之

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実施記録:

 講座の当日は今年京都で一番大雪の日だった。初めて嵐山の雪風景を体験でき、アイトワもあちこち真っ白で、とても綺麗だった。大雪の中で10時前後に皆が集まった。先生の奥様が経営しているカフェテラスでコーヒーを飲みながら、講座が始まった。森先生のプローフィルを踏まえながら、講座の本題に入った。講演、アイトワの庭見学、説明、アイトワカフェテラスで昼食、質疑時間、人形見学という流れで参加者の熱意で講座が5時間半(本来の講座時間3時間+自由参加2.5時間)を経て終了した。講演の要旨は以下のとおりである。

一.工業社会によってつくられた現在

1.人間がなぜ勉強する必要があるか?

近代の産業資本は人間が生きる上で不可欠の役割の多くを取り上げてきた。農業の工業化もその一つに数えてもいいのかもしれない。人間が生きる上で不可欠の役割を機械化、既製品化することに努めた。要は、人間を育む創造的な人間を減らし、自己完結性のない人間、つまりあればあるに越したことがない程度の仕事やマニュアルに従って、動くロボットのごとき人間にしてきたのではないかそのため工業社会の進化で人間の本能のブレーキを潰され、人間が本能の範囲では生きていけなくなったから勉強しなければならない現代社会になったように示された。

2.欲望を開放すべきか?

産業資本の発達は人々の欲望を解放し、人々の大量消費の欲望を膨らまし、企業の大量生産の目的が達成した。その過程で水や空気を汚し、地球上の資源を過量に使い、そして人間が大量のゴミを作り出し、本日の環境問題が生まれてしまった。こうした工業社会が人間の文明は欲望を膨らますことが欲望の抑制(欲望をどう整理すべきか)がされてないように指摘された。

以上のような問題は森先生が伊藤忠商社のサラリーマン時代に気付き、商社の仕事を辞め、現在の生活をスタートした。歴史を遡って、人間がどこでどういう失敗、成功をしたかを勉強した。そこから、次の時代に生み出さなければならないこと、次の時代を切り開かなければならないこと、そのために次の時代にどんなだろう、私生活はどうあったらいいのだろう、ビジネス、工業社会がどうあったらいいのだろうということは、自分自身の生涯テーマであると述べた。

二.文明と文化の違い

 人類は一万年前からの農業革命によって相当繁栄して後に文明が誕生している。他の動物は自らの体を進化させて、自然に異なる環境に適応している。これに対して、人間は自ら体を進化させるのではなく、衣服や靴などの「物」を発達させることで、異なる環境を対応してきた。こうした人間の技術的、物資的な営みが生み出すものが文明の力と理解できる。他方、文化とは自然条件を共有する集団内で人が生まれてから、その地に馴染んだ暮らし方に従うために、習得する行動や思考などの様式である。つまり、文明が人間の欲望を表に出す技術として文化を侵したと示した。

三、ソーシャル・イノベーションのあり方

 どうしたら皆が幸せになれるか、どうしたら社会が良くなるかのような社会づくりを考えることがソーシャル・イノベーションの基本だと思う。人間が日本人や京都人とかを名付けなく、すべてが「地球人」だと考え、一つの地球、一つの社会をよくしていけなければならない。社会も家庭も同じように地球にやさしいものを造っていけなければならない。皆が誇りを持って生きる社会、生活、新しい豊かさを生まれるため、新しい生き方に変える必要がある。本日、皆さんがアイトワに訪ねてきて、ここアイトワの姿はソーシャル・イノベーションのあり方ではないかと思う。ここでソーシャル・イノベーションの実践を「実験住宅」「実験生活」として送っている。皆さんに是非ソーシャルイノベーターとして、こういうふうに希望を持って、皆が生きがいを持って生きていけるのだという社会づくりをしてほしいと述べた。

四.庭見学

 深い雪の中、庭中が全て真白で、森先生の説明を聞きながら庭見学が終わった。話によると、アイトワカフェテラスの屋根に300万円かけて、日本一早いソーラーエネルギーを設置されている。自分達の屎尿も一か所に貯めて、畑の肥料に使う。庭中の木が何十種類もあって、春秋は景色作ってくれて、夏は皆が木下で影できて、冬は落ち葉で畑の肥料を発酵し、木でできた薪でお風呂を焚く。そして、生活用の野菜、果物からシイタケまで自給されている。生活のほとんどが一つの庭の中で循環している。

実施後の感想等:

 先生の熱意と希望そして私たち若者への期待が感じられる講演でした。商社に勤めていた時代に「もう紡績産業の時代ではない」と考え、仕事を辞め、希望がある生活を送り始まった。初めはもちろんできないことが多いと思うが、そのできない部分を勉強に通じて、世の中の考え方に縛られなく、ご夫婦二人で根気強くオリジナルな生活を送ってきた。このような鋭い社会問題を発見する目を持つことと希望、思いを実現、達成するために根気強く、熱意と強い意志を持って取り組んでいくことが我々ソーシャル・イノベーションコースの学生として不可欠な一つの能力だとわかった。そして、常に自分自身の立ち位置を確認し、自分自身がより良い社会づくりにどのような貢献できるかを頭に入れて、活動を進めていく必要もあるのではないかと感じ取った。展 鳳彬

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