2009年10月 3日

社会起業の意義と実践    西村 仁志(同志社大学大学院総合政策科学研究科 准教授)

西村先生1.JPG 一番初めの講義ということで、社会起業の特徴・意義を同志社大学大学院総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーションコースとご自身の活動と共に紹介された。社会的起業の特徴は、民間・市民の活動で、個人営業・任意団体・NPO法人・株式会社など法人の形態を問わずに、やろうと思えば小規模でもすぐに始められ、一定の社会公益性があり、個人のリーダーシップや貢献が大きい点にある。

 近年、NPO法人の活動が活発化しCSRへの意識の高まりから、社会的問題に対して主体的に取り組む営利企業が増加している。世界的にも営利・非営利の境界が曖昧化傾向にある。その一方で、本来社会問題の解決の役割を担うはずの行政が私たちの期待を満たしていないのが現状である。サービスを享受するだけの「住民」という存在ではなく、公共的関心と自己責任をもつ「市民」として地域の問題を自分たちで自治し決めていくことが筋である。行政の仕事を市民・NPOセクターへ移行し、市民の力を有効に活用して市民がアクティブに活動できることが新しい社会のあり方である。そういった意味で、一人一人が社会起業を行う(社会的ニーズに応えるべく問題意識を持って新たな方法論で動く)意義は個々の活動だけではなく、新しい社会への流れの中で世界的にも期待された存在であるということである。


 自分が置かれている現実と必然性(ほっとけない)が最初の原動力になる。また、多様な背景・経験を持つ人が社会起業に関心を持つことで社会を変える新しい道具(その手があったか)を生み出す。この講座は、既にそのような出会いの予感を感じさせている。受講生には、ぜひ新しい領域を生み出していってもらいたい。


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