2009年10月17日

市民社会論~現代の市民社会と市民力2    富野 暉一郎(龍谷大学法学部 教授)

富野1.JPG まず、自己紹介を兼ねて逗子市長となるきっかけの米軍基地弾薬庫への市民反対運動の紹介、逗子市長経験から得たパートナーシップ・市民自治に関するアイデア(行政主体の公共に市民が参加するのではなく、公共の相当部分を市民セクター・地域社会・企業で引き受ける)の実践的知見を行政学分野においてどのように位置づけるかを説明された。


 次に、パートナーシップを考える上での重要点として、2000年の地方自治法改正が憲法の読み方を二点大きく変えたことを説明。一つ目はそれまで地方公共団体の組織運営・範囲は法律で定めていたが、改正により地方は独立性をもって業務を行えるようになったこと。二つ目は、国は法律を作る際は地方自治の本旨を尊重しなければならなくなった点である。これは、地方行政職員が法律を理由に窓口で住民の要望を断れなくなり、今ある法律が地方自治を阻害するならば地方から変更を求められることを意味する。しかし、地方自治体が住民ニーズにすべて対応できるわけではなく、かつて賞賛された福祉国家は、近年の経済状況のなかで批判されている。原則「非自由」というパラダイム転換後、持続可能な社会は政府独占の公共では理論的に成り立たないし、行政の公共サービスに依存する社会のあり方では「豊かさ」が「個人の幸せ」に繋がっていない。これからすべきことは「官民」型から「公共私」型社会に変え、「共」の担い手として地域・NPO・企業が参加することで公共サービスを充実させる。そのための人材(地域公共人材)を育成することが重要であると説かれた。


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