2009年11月21日

「農と食」で起業する 1    西辻 一真(株式会社マイファーム 代表取締役)

西辻.JPG マイファームは「自産自消ができる社会」「耕作放棄地を直す」「消費者に農業を伝える・意識を変える」という理念・ゴールが明確に存在する。また西辻氏はゴールが達成できれば「解散するつもり」と言って憚らない。NPO・個人で農園業をやっている人は多いが、マイファームは企業なのでビジネスにする必要がある。しかし、各々自立した人々・団体とネットワークをつくり、みんなで作っていくというユニークなスタンスを取っている。また、社会のワークシェアリングという観点から、農業に係わりたい異業種企業のHPリンク・コラボも積極的に行い、無償で中間支援的役割を担っている。


 顧客の特徴は、30代前半の子育て・仕事が忙しい世代で、多くが農業初心者だが子供に土を触らせたい人々である。ニーズに対応するために、都心から通える距離の農地の確保、この世代が気軽に相談できるインストラクターの育成(サービス業に対応できる若い人)などに苦慮されながら農園数を拡大している。貸し農園業は一般的に解約率が高いといわれるが、マイファームは解約率が2割に満たない。西辻氏はその理由に「コミュニケーション」を挙げる。若いインストラクター・地主さん・顧客同士がクラブ活動的に係わり、SNS等でつながりが広げるシステムを作っている。一方、農地を扱う上で農政・農地法の問題にも突き当たり、「貸し農園」という用語使用の難しさ、中央と地方との政策・立場が乖離していることなど問題点も説明された。


 受講生から解約率が低い理由について質問があがり、畑という場所でお金を払っている感覚を忘れさせる程の「コミュニケーション・楽しさ」がある点を西辻氏は挙げられ、顧客はレジャーではなく子供の教育費と考えているため、子供が塾に通い始める時期が競合時かもしれないと示唆された。また、このビジネス形態で就農人口が増えるかという問いには、正確には「農業」とはいい難い形態なので直接的な増加は難しいが、顧客の中には就農に向かう人も出てきており、現在はそこまでサポートが出来ないので、農業学校に近い存在となることを目標に挙げられた。


▲このページの先頭へ