2009年12月 5日

「環境」で起業する2    福田 俊明(NPO法人伊万里はちがめプラン 理事長/レストラン伊萬里亭 オーナーシェフ)

福田さん.JPG  レストランのオーナーシェフである福田氏は、生ゴミを燃やすには多量の水分が含まれているため燃料コストが掛かり、また生ごみ自体は堆肥になるのにゴミとして処分することに「もったいない」と感じられた。そこで、質の良い堆肥を調査・研究するプロジェクトを発足し、生ゴミ堆肥の質の改良に取り組まれた。平成12年に堆肥実験プラントを建設、生ゴミの受け入れを開始されたが生ゴミ堆肥に対する農家の抵抗感や牛糞よりも割高であったために堆肥が売れなかったと福田氏は述べる。


 そこで生ゴミへの抵抗感の払拭と知名度を上げるため、「菜の花エコプロジェクト」を開始された。休耕地・荒れた田畑に生ゴミ堆肥を施し、ボランティアの協力によって菜の花を栽培し、菜の花の美しい景観や有機栽培での安全な菜種油と野菜を生産、飲食店や市民に提供した。使用後の菜種油はバイオマス燃料として回収し、ディーゼル車で使用するところまでを一連のPR活動とした。また、プロジェクトやお祭りに参加した一般客・観光客対象に生ゴミ堆肥を販売するなど、生ゴミ堆肥自体の知名度をあげる努力をされた結果、生ゴミ分別協力事業所が70件以上、一般家庭約250世帯の協力を得られるようになり、生ゴミ堆肥の売れ行きも好調となった。


 佐賀大学との研究連携、地域の学校に環境教育での貢献、インターンシップや修学旅行生の受け入れ等教育分野との連携により、生ゴミ堆肥プラントを担う次世代を育成し、さらに生ゴミ堆肥によって生産された専用の野菜直売所を作ることで福田氏は完全なる循環型社会を目指されている。また、タイ王国での生ゴミ堆肥の指導という国際協力、ホテル・レストランなどで生ゴミ堆肥を販売することで地域興しの一翼を担うなど、「生ゴミ堆肥」があらゆる方面へ波及効果を生んでいることを説明された。福田氏は今後、エコツーリズム開発による市民人口を増やすプロジェクトや、生ゴミリサイクルを広めることで食品リサイクル法を伊万里市全体でクリアする数値目標の設定、堆肥を提供して農産物を特産品化することなどを構想されており、まさに「生ゴミを宝に変える」活動を展開されている。


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