2009年12月12日

「観光・まちづくり」で起業する2    佐野 恵一(株式会社旅のお手伝い楽楽 代表取締役)

佐野さん.JPG 旅のお手伝い楽々の事業は、要介護者のための介護つき旅行を自宅のお出迎えから介護の状況、体調にオーダーメイドで対応されるサービスの先駆けである。近年は「バリアフリーツーリズム」と表現されるほど認知が広まった分野だが、要介護者が気軽に出かけるにはまだまだハードルが高く問題が多いと佐野氏は述べる。まず、出かけるには段差の有無という問題以外にも、トイレ情報(場所・広さ・貸してもらえるか)、食事対応(流動食にできるか)、移動手段などサポートの必要性が人により違い、そういった情報全てを各人が集めるのは難しい点にある。次に、制度として介護保険が旅行等の個人の余暇の外出をカバーしていない点である。佐野氏によると、映画や花見、外食などのちょっとした外出が、気分転換以外にもまた次も行きたいという希望になり自信となる。あるお客さんが「人間らしくなれた」と言われたそうだが、外出することでリハビリの意欲が高まり生きがいを持ってて生活できるのである。


 京都市は大観光地だが、現地でのバリアフリー情報を提供するサポート体制が整っていないと佐野氏は述べる。そこで本年度「京都バリアフリー観光案内所」を開設され、無料で情報提供サービスを開始された。また、バリアフリー情報のフリーペーパーを配布し好評を博した。佐野氏は「行きやすい街というのは住みやすい町、住みやすい街というのは行きやすい街」であり、よそから来てもらう仕組みとしてこの考え方が本来両輪とならなくてはいけないと説く。バリアフリーを難しく考えるのではなく、段差は人の手で解消できるし、トイレの間口は車椅子幅があれば通れるという、今あるものでどうお手伝いできるかという意識が重要である。佐野氏いわく、段差で手伝ってくれるのはなぜかいつも欧米からの旅行者で、日本人やアジア系旅行者はほとんど声を掛けてこない。また、あるお客さんは、あえて週一回公共の乗り物を利用することで自分のコミュニティーの意識を変えるように働きかけをしているそうだ。一人一人の意識が変わることで様々な問題が改善されると佐野氏は述べる。


 受講生からは、情報誌を発行することで競合が生まれたり、自ら旅行する人が増えて業務に支障がでないか等質問が出た。これに対し、競合が出ることはそれだけ社会的に認知されビジネスになるということで脅威と感じていなこと、旅行アルバム・旅行はがきの無料進呈などアフターケアによりリピーターを獲得されている点などを説明された。


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