2010年2月13日

食育講演活動を契機としたソーシャル・イノベーションの実践的研究~家庭・学校・地域の連携に着目して    中尾 卓嗣(ボランティア 食と環境教育アドバイザー/ウンチ博士)

中尾さん.jpg 中尾氏は仕事で広報を担当された際、ある学年の児童から農林水産業に関する問い合わせが多いことから、これらを小学5年生で勉強することに気付いた。質問を待つより出向こうと出張授業を実施された。出張授業中、ひょんなことで「ウンチ」がネタになる。子どもたちには大ウケでどんどん研究を深められた結果「ウンチ博士」という異名をもつこととなった。ある講座終了後に乳飲み子を抱えた女性が涙ながらに我が子の病を開示して「この子が人として大きくなるチャンスであるとわかった」と中尾氏に伝えてこられた。心を込めて伝えることで人様のお役にたてるという喜びを実感したという。仕事から始まった出前講座だが、中尾氏自身にとっては精神的な癒しの空間となり、自己肯定の場となったと述べられた。


 最近はネットの普及で座っていても情報が入ってくる。しかし発信者の意図した部分が強調され、物事を一側面でしか見られない子供が多い。自らの体を動かせば別の見方がある、考え方を変えて解決するという視点を大事にされて講座を行われているという。また、最近の小学生の不定愁訴の要因に食生活があげられる。特に「生活」部分が重要で、遊びを通してルール・役割分担・体力・知力・技術等社会で必要なものを学んでいたが、最近はバーチャルな世界が多く、生き物と係わる機会も少ない。


 中尾氏によると動物は歯を見れば何を主食としているかわかり、人間は明らかに穀物である。ところが、90年代を境に日本人の米と菓子類の年間購入金額が入れ替わった。中尾氏は研究フィールドである鹿児島県徳之島や沖縄県等を例にあげ、文化・風土・季節(旬)にあった食生活がいかに健康・教育に重要かを説かれた。

 受講生からは、残念ながら講座中に話していただけなかった「ウンチ」の話のリクエストや、中尾氏がウンチ博士に変身された過程について、30品目重視などの栄養学についての質問等があがり、栄養学よりもむしろ母親が頑張っている姿を見せる食「生活」部分の重要さを説かれ、ご自身のエピソードもあわせて披露された。


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