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2006年2月13日

 ■ 講演&シンポジウム——命と食と農をいかにつなぐか?

2006年4月同志社大学大学院総合政策科学研究科
ソーシャル・イノベーション研究コース開設記念
講演&シンポジウム——命と食と農をいかにつなぐか?

ソーシャル・イノベーション研究コースウェブサイトでも、内容を紹介しています。

 食は私たちが生存し成長していくために欠かせないものです。食は私たちの命に直結しています。しかし、いま、その食が、そしてその食を生産する農業が、危機的な状況にあります。低下し続ける食糧自給率、増え続ける人造的・人工的食品や添加物、BSE問題、衰退し様変わりしていく日本の農業。食や農を脅かす問題は日々拡大し深刻化しています。社会の病理に果敢に立ち向かい、「良い社会(Good Society)」の実現を使命とする実践型研究者養成を目指す「ソーシャル・イノベーション研究コース」においては、食や農の問題は解決すべき最優先課題の一つと言えます。だからこそ、私たちは京都市郊外の大原に農家と農地を学外研究施設として確保し、食と農の問題に正面からとり組もうとしているのです。
 今般、このような観点から、健やかな命を生み育てていくために、食と農はいかにあるべきかを主題とした講演会およびシンポジウムを下記の要領で開催することとなりました。つとにスローフード運動を立ち上げ、最近では、国際的なスローフード大学を設立したイタリアからも講師をお招きし、また食育、農政、料理、そして農業の現場で活躍しておられる気鋭の論客をお迎えし、実りある議論を期待したいと思います。

日時:2006年3月11日(土)午後1時開場〜午後5時30分終了予定
場所:同志社大学今出川キャンパス明徳館1番教室 京都市上京区今出川通烏丸東入ル

挨拶:13:20〜13:25 新川達郎 (同志社大学大学院総合政策科学研究科長)

第1部 講演 「スローフード運動の原点とは?」
講演1:13:30〜14:00 「国際スローフード運動の理念と課題」
         ジャコモ・モヨーリ(国際スローフード協会・日本担当理事)
講演2:14:10〜14:40 「食科学教育の国際的展開」
         ビットリオ・マンガネリ(イタリア・スローフード食の大学理事長)
講演3:14:50〜15:20 「スローフード日伊比較論」
         石田雅芳(イタリア国際スローフード協会本部勤務)

第2部 シンポジウム:15:30〜17:30 「命と食と農をいかにつなぐか?」

パネリスト(50音順)
大谷 貴美子(京都府立大学人間環境学部助教授、食教育・食事学専攻)
勝野 美江 (農林水産省消費・安全局消費者情報官補佐)
長澤 源一 (長澤農園 経営)
中東 久雄 (「草喰なかひがし(Sojiki Nakahigashi)」経営)

コーディネーター
今里 滋 (同志社大学大学院総合政策科学研究科教授)

■講演者&パネリスト プロフィール

ジャコモ・モヨーリ 国際スローフード協会・日本担当理事
Giacomo Mojoli
スローフード・ジャパン名誉会長/1955年生まれ。元国際スローフード協会副会長。現在は日本担当理事。ミラノ大学哲学科卒業後、数年間にわたりコミュニケーション、マーケティング、広告言語の分野で教鞭をとる。その後、食、ワイン評論家として活動。
『Italian Wine』、『Wines of the World』などの著書がある。ガンベロロッソ社とスローフード協会が共同で出版するVini d'Italia(『イタリアのワイン』)では最終選考委員の一人を務めている。近年はスローフード協会のイタリア国内外の公式スポークスマンとして、国際的連係に取り組む。またイタリア内外の20の都市が参加するスローシティ・ムーブメントにおける公式代理人、さらには、「生物多様性を守るためのスローフード基金」のメンバーとしても、イベントの立案、運営などに当たっている。また、ガストロノミー、ワインの専門家として、RAI(イタリア国立放送)を始めとするテレビ、ラジオの番組制作にも関わっている。

講演2:14:10〜14:40 「食科学教育の国際的展開」
ビットリオ・マンガネリ イタリア・スローフード食の大学理事長
Vittorio Manganelli
 1950年生まれ。1975年トリノ大学文学部卒後、トリノ市立図書館勤務。文化活動部門統括を経て2001年、スローフード協会の招請により食の大学理事長(本部及び学部:ピエモンテ州ポレンツォ、大学院:エミリアロマーニャ州コロルノ)となる。多年にわたりスローフード協会と協働し、ワインガイドブックVini dユItalia及びレストランガイドGambero Rosso(『赤いエビ』)の編集に携わる。また、ワイン学(試飲を含む)のコースを多数、監修・主催。

講演3:14:50〜15:20 「スローフード日伊比較論」
石田雅芳 (イタリア国際スローフード協会本部勤務)
Masayoshi Ishida
1967年福島県生まれ。同志社大学文学部美学及び芸術学科卒業、同大文学研究科修士課程(哲学専攻)修了。1994年よりロータリー国際奨学生としてイタリアへ渡る。1998年フィレンツェ市公認美術解説員。2002年より、北イタリアにあるスローフード協会本部に勤務。協会唯一の日本人スタッフとして活躍。協会理事ジャコモ・モヨーリとのコンビは、日本ではもはや協会の顔となっている。金丸弘美氏との共著『スローフード・マニフェスト』(木楽舎、2004年)は、協会の哲学を分かりやすく解説したもの。日々協会本部と日本との橋渡し役として、重要な役割を果たしている。

第2部 シンポジウム:15:30〜17:30 「命と食と農をいかにつなぐか?」
パネリスト紹介(50音順)
● 大谷 貴美子(京都府立大学人間環境学部助教授、食教育・食事学専攻)
Kimiko Ohtani
1980年3月大阪市立大学大学院生活科学研究科博士後期課程修了(学術博士)。その後、武庫川女子大学家政学部、大阪市立大学生活学部勤務を経て1996年10月より現職。関西消費者協会理事、京都市消費者保護審議会委員、表示・包装適正化部会会長、微量栄養素研究会評議員、日本栄養改善学会評議員、日本調理科学会近畿支部常任委員。最近の著書として『食の安全』(共著、NTS)、『野菜新書』(共著、朝倉書店)、『色から見た食品のサイエンス』(共著、SCIENCE FORUM)、『水の特性と新しい利用技術』(共著、エヌ・ティー・エス)、『食 Up to Date』(共著、金芳堂)、『高齢者の発達を支援する環境づくり』(共著、ナカニシヤ出版)等がある。

● 勝野 美江 (農林水産省消費・安全局消費者情報官補佐)
Mie Katsuno
京都大学農学部農林経済学科卒業後、1991年農林水産省入省。総合食料局商品取引監理官補佐、消費・安全局消費者情報官付企画官を経て、2005年1月より現職。 この間、1998年には、農林水産省中国四国農政局「食農教育推進プロジェクト・チーム」事務局、2000年には、農林水産省近畿農政局「食・農・環境学習支援プロジェクト・チーム」事務局、2003年には、農林水産省子ども白書作成ワーキング・グループ主査として『「いただきます」が言えた日〜卓也ともう一つの世界』を作成。

●長澤 源一 (長澤農園 経営)
Genichi Nagasawa
京都は太秦(うずまさ)で代々農業を営む農家の17代目。農業に従事して約10年後に、ナスの農薬散布中2年連続で体調不良に見舞われ、それを契機に慣行農業を見直し、無農薬有機栽培の道に進む。産みの苦しみを経て、2000年夏には京都の超一流料亭「嵐山吉兆」に野菜を納品できるまでに。2001年4月に有機JAS規格が認定されると、太秦で最初のJAS認定を受ける。現在、長澤農園の野菜は、京都では、錦小路の老舗八百屋「かね松」でしか入手できないほどひっぱりだこになっている。後継者である息子に胸を張れる野菜を作るべく、日々研究を続けている。

●中東 久雄 (「草喰なかひがし(Sojiki Nakahigashi)」経営)
Hisao Nakahigashi
 生家は、京都市左京区花背の美山山荘の次男として生まれる。実兄を師として、1972より料理の世界に入り、1997年銀閣寺伴に「草喰なかひがし」を独立開店。毎日、大原の山奥に分け入り、草木を摘み、大原の農家で仕入れた野菜を持ち帰り、「お竈さんで炊いた御飯に炭火の肴と山野菜を添えて」を看板に、「命有る物すべて食べ尽くす」を信条に、現在京都でもっとも予約の取れない店として、また、京都の名料理人で作る、日本料理アカデミー会員として、本業のかたわら、子どもたちを対象に、食育にも熱心に取り組んでいる。

コーディネーター
●今里 滋 (同志社大学大学院総合政策科学研究科教授)
Shigeru Imasato
 1951年福岡県生まれ。九州大学大学院法学研究科博士課程修了、法学博士(九州大学)。九州大学名誉教授。2003年2月まで九州大学大学院法学研究院教授として行政学・地方自治論の教育研究に従事するも、同年4月に行われた福岡県知事選挙に出馬するため辞職。現在は、同志社大学大学院総合政策科学研究科教授として社会起業論や公共性論を担当している。理事長を務めるNPO筥崎まちづくり放談会は「命と食と農をつなぐコミュニティ・レストラン筥崎公会堂」を直営。また、長崎県の農家と提携してアグリ・ツーリズムを事業化している。

2006年2月13日 09:00