
ソーシャル・イノベーション研究コース開設記念行事として映画上映会とダイアローグ「企業と市民によるソーシャル・イノベーションの可能性」を3月10日(金)、大阪市天王寺区にある劇場寺院「應典院」にて開催いたしました。主催は應典院寺町倶楽部、同志社大学大学院総合政策科学研究科は共催の立場での実施です。2時間半の映画に続いて1時間のダイアローグが続くという長丁場のイベントでありましたが、雨のなか119人が来場され大盛況のイベントとなりました。
上映した映画はカナダで2004年に制作された「ザ・コーポレーション」でした。ある意味「反米」の映画と言えるかもしれません。米国に本社を置く多くのグローバル企業が社会とどのように向き合うべきかの問題提起を行うものです。ちなみに宣伝のキャッチコピーには「資本主義社会サバイバル・シネマ」と付けられています。
外部リンク:アップリンク(配給元)
http://www.uplink.co.jp/corporation/
ソーシャル・イノベーション研究コースの開設記念行事として実施されましたが、内容は実に的を得たタイミングで開催されたと言えます。耐震強度偽装問題、ライブドアショック、国会での偽メール質問など、まさに企業と市民との関係を考えるには絶好の機会であったことは言うまでもありません。配給元のアップリンクのウェブサイトでは、Blogを用いたウェブ上での意見交換を行っています。映画に関心のある方はそちらもご参照ください。
外部リンク:ザ・コーポレーション ブロガートラックバック
http://www.uplink.co.jp/corporation/log/000758.php
上映に続いて行われたのが、新川達郎研究科長と、田村太郎edge実行委員長によるダイアローグでした。コーディネーターを務めたのは、来年度「臨床まちづくり論」などの講義を担当する山口洋典氏でした。田村さんは、問題の羅列に留めるのではなく解決の実践が必要であるというメッセージには共感できるが、今回のストーリーではきちんと取り組んでいる企業や企業人には援護射撃にならない点を指摘しました。また、新川先生は企業のガバナンスにおいて役員と株主と消費者はそれぞれにどのような公共の倫理観を持つべきなのか、という問いを投げかけました。
企業を賢くしていくには市民の社会への関わりが決定的に重要です。2006年度より、ソーシャル・イノベーション研究コースでは社会実験施設の一つとしての應典院と協働を行っていく予定です。キリスト教主義の教育・研究を推進する学校法人と、「自利利他」の思想を愚直に貫こうとする宗教法人との、世にも希な学宗協働です。それらを通して、社会に応答できる賢い市民、転じてソーシャル・イノベーターが育つ環境が生み出されて行ければ、と今後の展開にイベントをとおして思いを馳せました。
外部リンク:應典院
http://www.outenin.com
(執筆:山口 洋典)